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同窓生の活躍情報

これまでの研究・教育活動について

辰田芳雄さん(岡山朝日高校教諭)辰田芳雄さん(岡山朝日高校教諭)
平成10(1988)年、大学院修士課程社会系コースを修了。現在、岡山朝日高校で教鞭をとりながら、各学会・研究会等で論文の発表等を積極的に行っている。

私は、日本史の授業を展開するうえで、中世荘園史の研究は教材開発の観点からも不可欠と考え、兵庫教育大学大学院で2年間研鑽しました。

修士論文として『東寺領丹波国大山荘の支配と在地』を提出しました(修論の一部は『日本史研究』・『歴史学研究』・『日本歴史』・『ヒストリア』などに投稿し、査読の結果掲載されました)。

兵庫教育大学修了後、主に日本史の授業を担当しながら、日本中世史とりわけ中世荘園を研究対象に多くの論文を発表してきました。21年前に赴任した岡山朝日高校には、『岡山朝日研究紀要』が毎年刊行されていたので、赴任以来毎年論文を書くことを自らの職責と自認し、本年までに22本の論文を掲載しています。

それらの論文は、1990年以後今年まで『史学雑誌』の「歴史学界-回顧と展望-」で連年評価を得ています。これらの論文と学会誌に掲載された論文のうち、13本を単著『中世東寺領荘園の支配と在地』(484頁)としてまとめ、校倉書房の歴史科学叢書の一冊として平成15(2003)年11月に出版しました。それを故永原慶二氏は、「大山荘・新見荘を中心とした精細な研究で、説得力を持つ仕事となっている。また、地域に密着し地域感覚をもつ研究者の強みも十分に発揮されている。」と評してくださいました。さらに、著書の一部と最近発表した論文をもとに、「中世後期東寺領荘園における年貢減免闘争」(原稿用紙約1000枚)を平成19(2007)年3月に筑波大学へ学位論文として申請し、同年6月に博士(文学)の学位を得ました。

1994年の東寺文書研究会(世話役東京大学史料編纂所高橋敏子教授)発足時から会員となり、主にここを拠点として研究活動を行ってきました。最初の回の「文安の乱と在地動向」(のち『岡山朝日研究紀要』15号に掲載)と題する報告を皮切りに、近年では2004年7月31日第Ⅲ期第9回で「矢野荘と大山荘の年貢請取状」、2005年12月17日第Ⅲ期第12回で「年貢送進手段としての割符について-裏付の意味を中心に-」、2009年8月29日第Ⅲ期第18回では「16世紀の新見荘の都鄙関係」という報告を行いました。当研究会で現在進行中の「東寺執行日記」の翻刻にも参画しており、今後もこの研究会や日本史研究会などを足場にして中世荘園制の研究を深めていきたいと考えています。

一方、2010年7月28日の第51回全国歴史教育研究協議会(岡山大会)で「中世の荘園制の展開-備中国新見荘を事例に-」と題する授業実践の報告をしました(『全歴研研究紀要』第47集)。新しい学習指導要領を見据え、長年の研究成果を授業に落とし込んだものです。  また、主に岡山大学を会場に月例会が行われる岡山地方史研究会にも20年前から参加して近世や近現代の分野の見聞を広めています。当研究会でもしばしば研究報告を行っており、最近では2008年4月例会で「備中国新見荘における代官新見国経期の公用京進と商人の活動」と題して報告を行いました。この報告は、2011年5月思文閣出版から刊行された『東寺文書と東寺の諸相』(東寺文書研究会編)の論文集に掲載されました。これで20年かけた中世後期の新見荘研究がほぼ終了したので、一冊にまとめたいと思っています。

2011年9月13日掲載

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