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現場に役立つ教育問答

Q1:私の勤務校は米作地域にあります。地域の子供たちになじみの植物で発芽の実験を行おうと考え,モミで発芽の実験を行いました。モミを水の中に沈めてみたら,みんな発芽してしまい,どうしても教科書のようにはいきません。何がまずのでしょうか? Q2:種子の発芽する条件を調べる単元で,子供たちになじみ深い植物の種子を使いたいと考えました。そこで,カラスノエンドウの種子を集めて授業に使おうと考えたのですが,いっこうに発芽しません。なぜでしょうか?

渥美 茂明 (自然・生活教育学系 教授)

そもそも,イネやカラスノエンドウを使ったのが間違いの始まりです。しかし,実験がうまくいかなかった理由はそれぞれ異なります。

イネは,元々は沼や湿原の植物だったと考えられています。こぼれた種子は水底や泥の中で発芽します。このような環境では酸素の濃度(溶存酸素濃度)が低いと考えられます。イネは使える酸素が極端に少ない環境では,醗酵(無気呼吸)を盛んに行い,発芽に必要なエネルギーを生産します。畑のように空気中の酸素を利用できる環境では、発芽する種子は水を確保するためにまず,根を伸ばします。イネも水面より上で発芽すれば根が先に伸びますが,水中で発芽したイネは芽が先に伸びます。

一方,カラスノエンドウは野外では11月から12月頃,発芽します。莢(サヤ)からこぼれた種は雨に濡れても,発芽の季節が来るまで決して発芽しません。これは,種子が硬い種皮に守られ,なかなか吸水しないためと,種子の中の胚が休眠しているためです。種皮に傷を付けて吸水しやすくするとともに,気温を強制的に上げ下げすると,季節はずれに発芽させることが出来ます。

小学校5年生で学ぶ,発芽の条件は,教科書に取り上げられているインゲンマメやトウモロコシの種を使ってください。多くの作物の種は,水,暖かめの気温そして,十分な空気(酸素)があると発芽するようになっています。これは,長い時間をかけて,人の都合でまき時が換えられるように改良されてきたからです。

2011年6月29日掲載

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