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現場に役立つ教育問答

「認定こども園」について、いろいろと不安がありますが、どのように考えていったらよいでしょうか?

名須川 知子 (基礎教育学系 教授)

「認定こども園」は昨年度から国をあげて増加につとめておりますので、これからは法人だけではなく、公立園についても話題にあがることでしょう。制度上はともかく、実際に幼稚園と保育所が一緒になることについては、幼稚園側からの不安の声があがっています。それは、保育園は従来と同じく0歳から5歳まで預かるのに対して、幼稚園は3・4歳からの幼児しか扱ったことがなく、兵庫県の公立幼稚園のほとんどが2年保育であるという現状から出てくる不安がまず考えられます。さらに、雇用の不安もあります。それは、「認定こども園」に切り替える際に、公立幼稚園を法人化し、実質幼稚園の数を減少させようとする施策もあるからです。それが妥当であるのかどうかということよりも、そのことでおこる状態を考える必要があります。今回はこれらの2つの不安について述べましょう。  
まず、1点目の扱う子どもの年齢ですが、実際にある「認定こども園」の幼稚園の先生と お話ししたところ、2年保育でやっていたときよりも、幼い頃からの成長を見ることができ、 むしろ保育がやりやすくなった、ということでした。これまでの成長を実際に見ることで、 今何をしたらよいのか、その意味も明確になったということでしょう。ですから、不安をもたずに年齢幅のある乳幼児の保育に従事してもらいたいと思います。不安を超える喜びがあると思います。
2点目の雇用についてですが、行政側も慎重に考えていると思います。しかし、幼稚園の新規採用は減少するかもしれません。それよりも、まず、「教育を含む保育の質の向上」に努めてください。私がもっとも心配することは、公から民へ移行することで、保育の質の低下が生じるのではないかということです。公立園の場合は研修制度が確立されており、様々なところで交流も行われています。特に兵庫県の場合は全国でもっとも公立園が多く、2009年の段階でちょうど500園の公立園を抱えています。また、伝統があり、保育内容はかなり充実したものであると思われます。子どもを主体にした保育がさらに高められることを願っています。

2011年2月 1日掲載

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