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現場に役立つ教育問答

高等学校の新教育課程における地理歴史科の趣旨について解説して下さい。日本史の改善事項で注目すべきことは何ですか?

原田 智仁 (社会・言語教育学系 教授)

大きく次の3点が挙げられます。

1.歴史の展開を大きく捉える内容構成としたことです。

日本史Aでは、従前二つの大項目からなっていた近代を一つに統合し、現代史の比重を高めました。また、日本史Bでも、原始・古代、近世の中項目数を3から2に減らし、前近代史の内容の一層の重点化を図るとともに、歴史を大きく捉えるよう工夫しました。

2.世界史と同じく、言語活動を意識した主題学習を充実したことです。

日本史Aでは、内容(2)の「ウ 近代の追究」と(3)の「ウ 現代からの探究」が新たに中項目に設定されました。前者は教師が主題を選択し、後者は生徒が自ら主題を選択するという違いはありますが、どちらも生徒が諸資料を活用して考察し、その結果を適切に表現する活動を通して歴史的な見方や考え方を培う新しい主題学習になっています。
また日本史Bでは、従前の(1)の「ア 歴史と資料」に加えて、(2)の「ア 歴史の解釈」、 (3)の「ア 歴史の説明」、(6)の「ウ 歴史の論述」が新たに設けられました。日本史Aに比べると、やや歴史の専門的スキルに傾斜した感もありますが、資料活用と言語活動を通して歴史的な見方や考え方を段階的に育成しようとする主題学習の意図が明らかにされているといえるでしょう。

3.日本史Aに新たな導入項目が創設されたことです。

日本史Aの内容として「(1)私たちの時代と歴史」が新設されました。これは、「近現代の歴史的事象と現在との結び付きを考える活動を通して、歴史への関心を高め、歴史を学ぶ意義に気付かせる」(学習指導要領より)のがねらいです。前述のごとく、世界史Aでは前近代史(ユーラシアの諸文明)をいわば概括することで近現代史へとつなげますが、日本史Aはこれとは異なり、現在の視点から近現代史にアプローチさせ、歴史への関心と学習の意義に気付かせるところに特色があります。

2011年4月13日掲載

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